人生百年 有為自然

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有為自然 715  自分の名前を 書き間違えるバカはいない !?

  自分の名前を 書き間違えるバカはいない !?

 

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外国旅行のことを書いているうちに、S君のパスポートの話を思い出しました。

 

みなさん、自分の名前を書き間違えたことがありますか ?

 

S君のはなし。

選択的フーフベッセー制度が実現するまでの、

世を忍ぶ(?)「仮の姿」として、「戸籍姓」をツマのセーに変えた。

パスポートに「旧姓併記」が認められない時代のことです。

S君が、パスポートの申請に出かけました。

日常的には「旧姓」を使用しており、戸籍姓に慣れていない。

 

パスポートのサイン欄に、思い切り「旧姓」を書いてしまった。

「間違ったので、書き直したいのですが … 」と窓口へ。

すると、最初からやり直しをさせられ、手数料が2倍になってしまった、と。

「書き間違えただけです」と言っても、聞いてもらえない。

受けつけの人からすれば、

「自分の名前を、書き間違えるバカはいない」ということでしょう。

不本意 強制改姓」だったので、腹が立って仕方がなかった、と。

 

銀行や病院では、「戸籍姓」で呼ばれる。

本を読みながら待っているときなど、気づかない。

「○○(戸籍姓)とは、俺のことか!!」というわけです。

 

S君は私同様、カキューコームインでした。

人事異動が、新聞発表される。

「戸籍姓」で発表されるために、

職場の人間だけでなく関係者にもいっさいわからない。

「戸籍姓」になってから退職する日まで、

「旧姓」を通した彼は、どこの職場にいるのか、多くの関係者にわからなくなった。

いわば「所在不明」になったのである。

 

退職時の新聞発表も、「戸籍姓」。

「オレの人生って、こんなものさ。

人に知られることもなく、ただ消え去るのみ」と。

 

退職してから彼は、近所では「戸籍姓」を名乗ることにしました。

地域のさまざまなことで市役所との関りが多くなる。

「戸籍姓」を使用しないと不便なのです。

 

いつのまにか「旧姓」は消えていき、「戸籍姓」へ。

しかし、どこかしっくりしない。

コッカによって「姓」を奪われてしまったのです。

あの世に、このままいくのだろうか。

「名もなき民」の一人にすぎないから、

悠久の歴史の中では大した問題ではないのだろう。

 

そういえば、かつてこのクニは、

植民地の人々の「氏名」をニホン風に変更させました。

「ソウシカイメイ」=「氏を創り、名を改める」。

植民地の人々の心を、どれだけ傷つけたことでしょう。

考えて見ただけでも、むごいことです。

 

話を元に戻します。

結婚という人生の一番喜ばしい時に、強制的に「改姓」させられる。

「改姓」しなければ、「結婚」を認めない。

世界広しといえども、ニホンだけです。

ふと浮かんだ、センゼンの教科書の一文。

「ニホンよいクニ、強いクニ、世界に一つの神のクニ … 」

 

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別に、すべてのカップルに対して「別姓にしろ」というのではありません。

「別姓のままでいたいというフーフを、認めてくれ」というだけの話です。

誰にも迷惑をかけるわけではないのに … 。

 

S君の怒りが、よくわかります。

今日は、先週の「 … なんて、クソです」の話のつづきでした。

 

話は違いますが、2回目のワクチン接種の時、

思い切り「自分の誕生日」を間違って書いてしまいました。

受付の人から「誕生日が違いますよ」と。

1日、違っていたのです。

 

愕然 !!

こんなことは、我が人生で初めてのことです。

いよいよ、ニンチショーが始まったか(苦笑)