薄暗がりの中から 突然 声がした
午後5時というと、もうかなり暗い。
ウォーキングは、いつもより速足だった。
突然、小さな女の子が「こんにちは」と挨拶した。
とっさに「こんにちは」と返す。
たぶん小学校1、2年生であろう。
最高に気持ちが良くなった。
ウォーキングを始めた頃のこと。
違う地域の小学校の前で、じっとこちらを睨んでいる男の子。
突然、校舎の方に向かって、「センセー!!」とかん高い声を上げた。
あの時は明らかに、不審者扱いされたのだ。
今回の女の子のあいさつは、
何とすがすがしい気持ちにしてくれたことか。
棚田の古代米は、
すでに稲刈りが終わっていた。
丘の上に上ると、3人の若いジョセーがいた。
ヴァイオリンの練習に来ていたのだ。
聴きたかったが、遅くなるので急いでそこを立ち去った。
日が暮れるのは、早い。
足元から遠くに向かって、
ビル、車、家などの明かりが、迫る闇のなかで輝いていた。
はるか遠方を、大きな川がゆうゆうと流れている。