トコロジストって 所ジョージさんの話 ?
トコロジストって、言葉を知っていますか ?
最初、「所ジョージさんのような生き方をする人 ?」と思いました。
ところが、全く違ったのです。
トコロジスト?
ピアニストはピアノ奏者。
サイエンティストは科学者。
トコロジストは所(ところ)、つまり場所の専門家なのです。
鳥や植物など一つの分野でなく、
地域を歩き、
地形に歴史、
文化に都市計画と総合的に観察する。
野鳥の会の先輩、故・浜口哲一さんが提唱した造語です。
…
明治の殖産興業、昭和の高度成長 …
家には疲れて寝に帰るだけ。
しかし、 … コロナ禍で変化が加速しました。
…
家族や住環境を見つめ直した人が多いのではないか。
本当に大切なもの。
それが自分の暮らしや家族なら、隣人や地域は無視できない。
家庭と職場の間で素通りしがちな「トコロ」に目を向ける機会である。
多摩プラーザの … 街づくりに取り組む市民グループ … 。
「まず住民に地元を知ってほしい」と、
魅力をまとめた冊子や地図の発行などを続けてきました。
遊歩道に通じる石段のペインティングに地域ぐるみで取り組みました。
子どもたちが大喜びし、街の風景が明るくなりました。
コロナ禍でうれしかったことがあるそうです。
それは、遊歩道を散歩したり、ジョギングしたりする住民が増えたこと。
… 大好きな野鳥のさえずり、
木漏れ日の心地よさを感じ取った人が大いに違いない。
…
「街は行政や開発公社に与えられるものじゃない。
これまでも住民がつくってきたし、
これからも住民が守り、育てなければ荒廃する」
…
こうした取り組みは一見、微力かもしれませんが、
法や条例に基づかなければ動くことのできない国や自治体、
営利目的の企業と異なり、
個人の趣味や関心に応じて多様な問題に身軽に取り組むことができる。
また、現場密着であるがゆえに先駆的であることが多く、
同じ志を抱く仲間とも連帯しやすいのです。
市民の力によって社会の課題に立ち向かう。
こんな目標を掲げた国連は、2001年を「ボランティア年」と定めました。
21世紀が「ボランティアの世紀」と呼ばれるゆえんです。
それから20年。
世界レベルの環境破壊、国レベルの人口減少や高齢化で不透明な未来に、
コロナ禍がさらに影を落としています。
かつて、英国の環境活動家B・ウォードは
「世界規模で考え、暮らしの中で行動しよう」と説きました。
地球がインターネットでつながる現代、
市民の善意が地域の原動力となり、国や世界を変える可能性は高まっています。
地域を歩くことから始まるトコロジストも、そんな希望を宿しています。
実は、この文章の4行目からは、
1月3日の東京新聞の社説の抜粋です。
「年の始めに考える トコロジストの勧め」。
あまりにも自分の考えと似ていたので、驚きました。
ただし、ジジイは「野鳥の観察」からスタートしたわけではありません。
安全安心の地域づくりのための花壇・草刈り・剪定、
高血圧を治すためのウォーキングがきっかけでした。
社説全文は、ネットで検索できます。
関心のある方は、ぜひ、ご覧ください。
正月早々、本当にびっくりした文章でした。
みなさんは、どう感じられましたか ?